GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動

“GRAVITY DAZE” ー少女は、空に落ちる。

記憶を失った少女「キトゥン」は、 不思議な黒猫と出会い「重力使い」となる。
巨大な円柱の周囲を取り囲むように築かれた空中都市「ヘキサヴィル」。
この都市は「重力嵐」の脅威によって、壊滅の危機に瀕していた。
住居を失い、さまよう人々の姿も目立ち始めたヘキサヴィルの一角で、 後に、街の人々から「キトゥン」と呼ばれる少女が目を覚ます。
「重力猫ダスティ」との出会いを経て「重力使い」となった「キトゥン」は、 嵐と共に現れた謎の怪物「ネヴィ」の脅威から人々を守り、 嵐に「奪われた街」を奪還するために奔走する。
もう一人の重力使いの少女「クロウ」をはじめとする強敵たちとの戦いを経て、 「キトゥン」は強く成長し、やがて街と自身をとりまく謎の核心に迫っていく…

SIRENで有名な外山氏が手がけたアドベンチャー、うん?アクションか
公式では重力アクションアドベンチャーとなっている、まぁどっちでもいいのだが

VITAのローンチソフトとして発表当初より長らく名前を刻み続け、続編リメイク地獄の中、ファンにとっては非常に期待されていたのだが、これは予想以上に凄いソフトだった。

本作の主人公、記憶を失った少女”キトゥン”
VITAのスクショの性質上ちょっと画質が荒れるが実物はもう少し綺麗 
ストーリーはエピソードごとに区切られており
大事なストーリー部分は漫画のようなコマ割で紹介される 

プレイヤーは記憶を失った少女”キトゥン”として空中都市”ヘキサヴィル”に突然叩き込まれる。
そして黒猫”ダスティ”に出会い、重力を操れる能力を得て街の事件に関わっていくこととなるのだが

記憶を失っているということで我々プレイヤーと少女”キトゥン”は同格の存在である
ここで少女キトゥンがわがままな少女だったり、やたらと我が強い性格だったりすると、プレイヤー=キトゥンとして受け止めている我々にとって「なんじゃこりゃ」と、心の離れる原因となるのだが

ドジだけど前向きで人の頼みを断り切れない女の子
 それにちょっと頭も弱い、これじゃあ嫌いようが無い
年相応にかわいい物も大好き
良い意味でキトゥンはアクの無いキャラクターだ 

そんな性格ゆえいろいろな事件に巻き込まれ
その中で失った自分の記憶を取り戻し世界の謎に迫っていく、というストーリーが基本だ

ゲームは空中都市”ヘキサヴィル”という箱庭の中を自由に散策することが出き、ストーリーを進めたい人はストーリーパート、タイムアタックなどをしてプレシャスジェムを稼ぎたい人はチャレンジミッションと自分のタイミングで物語を進めることができる

チャレンジミッションはゲーム内通貨であるプレシャスジェムを払って解放される
 街の設備が整っていくギミックも面白い
またプレシャスジェムはプレイヤーの成長要素にも使われる
 このおかげで無意味に見えるジェム集めにも非常に意味が出てくる

空中都市”ヘキサヴィル”はあらゆるところにプレシャスジェムが設置してあり、街中だけでなく裏側、街の底など主人公キトゥンが行けるところ全てといってもいい程広範囲に散らばって置かれている。

スコア稼ぎの為だけに置かれていたりすることがこういったジャンルのゲームにはよくあるのだが、前述のチャレンジミッション、成長要素に使われる為、プレイヤーがジェムを探し回ることが決して無駄にならない。

それどころか、重力を操作し街中を飛び回るといったことが楽しい為、 動き回ってジェムを集めるのがまったく苦にならない。これが歩いたり走ったりしかできなければ酷く苦痛となるだろう。全ては”空を飛ぶ”この操作性の良さが歯車となっている。

あらゆるところにプレスジェムは置かれている
 新しい街についたら隅から隅まで探し回るのも面白い
空を飛ぶ感覚、重力を操る感覚の操作性は抜群
この感覚は初めてだ。飛んでいるだけでも楽しくなる

 重力を使って空を飛ぶ感覚を説明したいところだが、これはもうプレイをしてみてくれ、としか言いようが無い。何かに例えたくとも例える何かが無い。昔、セガがナイツで空を飛ぶ感覚を売りにしたが、あれは3Dに見せたようで2Dだった。

この為に用意したマルコンも懐かしい
ナイツはアドベンチャーというよりはリングをつないでタイムを競うレースゲーのような感覚だった 

GRAVITY DAZEはまさに空を飛んでいる。
いや、キャッチコピーの”空に落ちる”という表現がピッタリでもあるか。天井を足場にした人間が足を踏み外せば空に落ちる、何を言っているかわからないかもしれないが本当のことであり、GRAVITY DAZEの感覚はそういったものだ

動画を観てもらった方が早いかもしれない

空中での浮遊感、操作性、重力スライド、キックと使った戦闘での爽快感は文句の付け所が無い程素晴らしい。海外のデベロッパーに「日本のゲームは見えない壁がある」と馬鹿にされたこともあったが、外山氏がこのゲームを持って反論してくれた。

イベントの見せ方も面白い

大事なイベントになると漫画のコマを進んでいるような演出になる
 VITA本体を傾けると画面もそれに合わせて傾く
セガがメガドライブで出したコミックゾーンを思い出す
これも中々の名作だった 

キャラが喋る言語がフランス語をちょびっといじったような架空の言葉らしいので、日本のコミックなどに造詣が深いフランスを強く意識したのかもしれない。

ただ世界観を考え架空の言葉にしたのが間違いとは言えないが、大事なイベント、心を震わすような展開などになった時、架空の言葉では少し感情移入にかけるかもしれない。漫画のコマ割り演出も面白いしオシャレではあるが、少し淡々とした印象を受ける。コマの中に動画を入れたりなど開発者も考えてはいるのだと思うが、日本の声優による声の演技も続編などストーリー性を深めていく上で必要不可欠になってくるのではないだろうか

GRAVITY DAZEはプレイヤーを楽しませる要素も忘れていない

本編中の一コマ。なんちゃってスニーキングミッション
ただ敵を倒すだけだと単調になる。きちんと開発者もわかっている 
主人公が女性だと必須になってきたかのようなコスチュームセレクト
惜しむらくは性能の違いなど欲しかった!続編に期待しよう 

非常に出来が良いと更に上を要求してしまうというか、できたらストーリーミッションとチャレンジミッションだけでは無く、サイドミッション(DLCとしてあるが)のような形で世界の一端を開かすようなクエストがあると良かった。

またその報酬としてアクセサリなどキトゥンの見た目+性能が変わるアイテムを貰えるとか、本編より難易度の高いクエストでストーリーで触れられなかった真相が明らかになる、とか、、、、妄想は広がる

その他、希少種ネヴィ、謎の夫婦の探索、もちろんチャレンジミッションのゴールド獲得などやりこみ要素もあり、完成度の高い作品に出来上がっている。それでは総評。

 

※皆、大好きな某雑誌形式でレビューします。
採点は上から順に、グラフィック、ストーリー、UI(ユーザーインターフェイス)、GAMEPLAY、の評価となります。

 

 

GRAVITY DAZE 
重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた衝動
PSVITA 重力アクションADV
2012年2月9日発売
『GRAVITY DAZE』-少女は空に落ちるPS Vitaのために生まれた、PS Vitaだからこそ成し得た新感覚“重力アクション・アドベンチャー!”
激しいアクション操作にも耐えうる程度のグラフィックと言えるか。VITAの最高峰とは言えないが、及第点は充分満たしている。イベントの漫画演出やコマ割りで突然動画が入ったりなど演出も凝っていて非常に面白い
 かなり深い設定が作られているのだろうが、今作で触れられるのはその一端のみ。映画で例えるなら3部作の1作目だろうか。しかし、きちんとカタルシスを得られるように作っているところは開発者のセンス。深い中身は続編に期待
自動セーブと個別セーブを分けて不意の電源落ちでも安心。長いロード時間も全体を読み込む時のみ回数は少ないので気にならない。ただチャレンジミッションリトライ時は多少気になるか。わかりやすい目的地表示のおかげでプレイの快適度が非常に高まっている
重力を操る感覚は初めて経験。最初はうまく操れないが慣れてくると素晴らしい操作感覚。それがジェムによる能力向上と合わさり空を自在に操っている錯覚に陥らされる。PSVITAを所有する人、いや持っていない人もは必ずプレイすべき作品。開発者に拍手。

 

 総合評価:A