極限脱出ADV 善人シボウデス

極限脱出ADV 善人シボウデス』は、チュンソフトから2012年2月16日発売のニンテンドー3DS及びプレイステーション・ヴィータ用ソフトである。

何者かによって謎の施設に監禁された男子大学生・シグマ。シグマが目を覚ますと、謎の少女・ファイを始めとする8人の男女がいた。彼らもまた、シグマ同様、施設に閉じ込められたのだ。そんな中、突如現れた謎のウサギ・ゼロ3世が現れ、ここから脱出するには、アンビデックス・ゲームを行わなければいけないことを告げる。果たして、シグマ達は謎の施設から脱出することが出来るのか?

善人シボウデスは前作の流れの通り、ノベルパート、ADVパートを交互に繰り返しながら進んでいくゲームとなっている

ノベルパートの一角
キャラも表情も良く動いて好印象
ADVパート
実に様々な仕掛けが施されている

ノベルパートはフルボイス(※一部例外有り)の上、キャラがよく動く。

ストーリーも裏切り裏切られる人間関係ドラマを基軸に様々なSF風味の謎が絡む展開で目が離せない。
ADVパートは前作の難易度の高さは何処へやら、あまり得意では無い人でも少し頑張ればクリアできる程度になっている。

更にeasyモードが用意されており、これは何回もトライしているうちにキャラクターが教えてくれるというゆとり仕様、前作に比べ間口をぐーんと広げた感じだ。

詰まった時はいつでもEASYモードに移行することが可能だ
攻略サイトにだけは頼りたくないという人にはとても良い機能
パスワードがわからない時でも
こうやってヒントをくれるようになる

ノベルパートにはAUTOモードにSKIPモードが備えられている。コンシューマーゲームではよくSKIPモードはあるがSKIPとは言えないくらい速度が遅かったりする場合もあるが、その点は問題無く充分な早さでSKIPしてくれる。ただAUTOモードに関しては、何故かストーリー中に場所移動をするとAUTOが途切れる。この点はちょっとマイナスだ。

ADVパートの操作性について気になるところがある。
今作は3DSとVITA、二機種マルチで発売されたのだが、間違いなくベースは3DSだ。

それは画面を見れば一目瞭然。

Item:高級なブランデー。らしい
ブランデーに見えないだろーが、と突っ込んではいけない
大事なシーンなのだが、いまひとつ伝わってこない。
画面の情報量が少なすぎるのだ

3DSならこのグラフィックでも仕方ないかもしれないが、VITAでこれは悲しい。
有機ディスプレイと高解像度のおかげで綺麗には見えるが、元のモデル自体が低ポリの為限界がある。ブスな女性に分厚い化粧をしても、いやこの例えは良くないか

操作性も3DSを元に作られている為か、VITAの右スティックが死んでいる。
厳密に言うと左スティックと右スティックが同じ動きをする。LRボタンで視点が左右に動くのだが、どんなアホが考えても視点移動は右スティックが最適だ。 

もちろんこれも右スティックが存在しない3DSをベースに作られている為だ。

日記でも言及したBACKの罠
ここは是非二画面欲しい。3DSが羨ましくなる
実にメルヘンな絵。
メルヘンファンタジーならこのモデリングでも許せるのだが

VITA用に新規モデリングをするのはコスト的にも時間的にも大変だろうと思う。
だがボタン配分の調整はできただろう。作り込みの甘さを少し感じる。

ストーリーについては自分の中でも整理はできていない。
難解、と言うべきなのか。なんだろう?よく理解できていないのか。

ゆえに、この後は備忘録的に振り返ってみようと思う。

※この後は酷く強烈なネタバレを含みます。これからプレイ予定の方は絶対観ないようお願いします。

 

 

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善人シボウデスの全貌デス

ストーリーを語るに当たって最初に、この物語はどこが出発点なのだろうか、と悩む。

まず、シボウデスの主人公(シグマ)とファイは、シュタインズゲートで言うところのリーディングシュタイナーの能力を持っている。それは無数に広がる世界線を移動することができる能力だ。

ゲームのフローチャート機能
要は主人公はこれを飛び越えることができる 、ということだ
それは主人公が危機の時に訪れる
やばい!となったらビューンって仕組みだ

また、この能力は同じ時間軸だけではなく、過去、未来にも飛べる。
ゆえに主人公の意識を過去に飛ばし、滅亡してしまった世界を救おう。が、ゲームの真の目的

ただ主人公が慣れていないと世界線を移動しても記憶を失ってしまう。
だから変なゲームやらパズルを解かせたり、バングルに毒針入れたりして主人公を追い込み、どんどん危機に追い込んで何度も世界線移動をさせて慣れさせよう(ゲームプレイ部分)

これだけ聞けば、なんとなくシュタインズゲートのオカリンと似ているなぁ、と感じるかもしれない。

だが決定的に違うところが一つ。

オカリンは世界線を飛んだ時、入れ替わり現象は発生しない。世界線を跨いだ記憶は行った先の自分だけ。善人シボウデスでは、飛んだ先にあった自分の体の意識(記憶)が入れ替わりに入ってくるというのだ。

わかりづらい。簡単に言うと、過去を変えようと昔の子供だった自分に意識を飛ばす、そうすると、子供だった自分の意識が押し出されて現在の自分(大人)に入ってくる、という仕組み。頭は子供、体は大人、名探偵○ナン!

若いあんちゃんを操作していると思ったら爺だった
この時爺シグマの意識は過去の若いシグマへ
やっと戻ったと思ったらロボだった
何を言っているのかわからないと思うが本当のことだ

ここで最初の図に戻る。(備忘録的内容なのでblockquoteで囲みます)
 

A地点で主人公(若いシグマ)の意識は未来に飛び、Bの体(爺のシグマ)に入る。BからCへ約二日間死のゲームをやらされる。死に値する恐怖を感じながら何度も世界線を飛ぶうちに記憶を持ち越せるようになり、そして真相にいたる(これがゲームプレイ部分)。

そこで主人公の意識はD(世界が滅亡する日)過去に飛び、45年間必死に猛勉強して博士となり死のゲームの舞台を作り上げる。

B地点、2074年1月24日に至った時(月日が経ちシグマは爺)、A地点から主人公の意識が飛んでくるのと入れ替わりに自分の意識はA地点(若いシグマ)に飛ぶ

世界が滅びる原因となったウイルス流出を防ぐため、火星に飛ぶ(E地点)
だが失敗する。その時少女を救う(ファイ)。両手と片目を失ってしまう。

D地点、2029年4月13日になると、死のゲームをクリアしたシグマの意識が飛んでくるため、入れ替わりにC地点(ゲームクリア後)の自分の体(爺のシグマ)に意識が戻る。


さて、一番最初にどこが出発点なのか悩む、と書いたが

この物語の初めはどこになるんだ?

 

ゲームをスタートしてすぐ未来のシグマと意識が入れ替わるのだが、その未来のシグマも元は↑のルートを繰り返してきたシグマ。物語はループしているのだが、元はどこか。未来のシグマも過去に更に未来からのシグマが飛んできて入れ替わり、更に未来からのシグマも過去に更に更に未来からのシグマが飛んできて入れ替わり、、うううなんなんだ元が無いだろ元がっ…

過去の情けない自分を救う為、大人ののび太が過去の自分へドラえもんを送ったとしよう。この場合、ドラえもん無しで成長した大人ののび太が存在する。シボウデスのシグマは”貴方は45年間必死で勉強して博士にならなきゃならない”と茜に言われ博士を半ば強制的に志すことになるのだが、茜(ドラえもん)に会わないシグマ(のび太)は博士を志したであろうか?

もしかしたら見落としたのか。
それとも、ゲーム中には出ていない原点のシグマの物語があったのか。わからない。

また、滅亡した世界を救う、という真の目的があるのだが、過去のウイルス漏洩を防いで世界を救ったとしても、それが原因で未来が変わるわけでは無く、平和な世界になった、という世界線ができあがるだけ

ゲームキャラにも語らせている通り
過去は改変しても今が変わるわけじゃないのだ
この会話には笑った。まさにその通り
こんなことゲームキャラに語らせていいのか(笑)ただ救済はあったが

では、こんなゲームをする意味があるのか?
世界が救える過去ができあがっても自分は何も変わらない。

自己満足のためだけに人が死ぬような酷いゲームをさせたのか

シュタインズゲートのオカリンは
幼なじみを死の運命から救うという目的があった。
バタフライエフェクトは飛んだ結果
最高の結末は最低の選択肢が必要だと気づいた

そしてこの計画を作ったのは他ならぬ自分、いや茜?
何故だろう、、自分の足りない頭では理解できない。

パチンコのようなものではないのか?
パチンコの玉が主人公(シグマ)。どんどん打っていき決められた釘(ルート)を辿りながら、ボーナス(平和な未来)を目指す。玉の数だけ世界があり、ボーナスが当たったからといって、無駄になった玉は帰ってこない

終盤になるとぴょんぴょん世界を移動させられるが、行き先はどうやって決めているんだろう。ある一定の条件が満たされて本人の危機意識が最大になると意識が世界を飛ぶ、までは理解できても、飛んだ先が都合の良い場所、ともなるとおかしくないか?ロケット花火のように何処に飛ぶかわからない、といったほうが自然だ。

電話レンジ(仮)
シュタインズゲートではこれと携帯電話が行き先指定アイテムとなった
バタフライエフェクトではノートがキーとなる
 当時の書かれた日記を読んで念じれば、飛べる

善人シボウデスの中で、これらに類するアイテムが登場しただろうか?記憶に無い
過去をなぞってるだけ、ループする世界の数週目だから当然飛ぶ場所もわかる、みたいな説明だった気がするが、そうするとそもそもの最初はなんだよ!ってさっきの話に戻ってしまう

最後に出てきた男の中身は何だ?
もしかして彼がパチンコの例で言うと打ち手なのか。

シュレ猫理論で言う観測者のことだとは思うが……誰なの?
もしかしてこれは、ゲームをプレイしている貴方、とでも言うつもりか(そのネタ二度目ですよ打越さん) 

謎は尽きないのでこの辺で
その他気になる点は

最後に気づく衝撃的な事実なのだが
説得力を出すには鏡や反射する物を一切無くすなど、伏線を張らなきゃ駄目だ
3Dモデルを作ってもらえなかった茜さん、はともかく
 全てを知っている、ループする主人公から聞いた、へ?もうなにがなんだか

※皆、大好きな某雑誌形式でレビューします。
採点は上から順に、グラフィック、ストーリー、UI(ユーザーインターフェイス)、GAMEPLAY、の評価となります。

 

 

 

極限脱出ADV
善人シボウデス
PSVITA 極限脱出ADV
2012年2月16日発売
謎めいたストーリーと、洗練された思考型パズルが織りなす極上のサスペンス。複雑に張りめぐらされたラインが1本につながったとき、あなたは驚愕の真相を目の当たりにする!
3DSをベースに作られたモデリングはVITAの有機ELを通しても悲しい出来。西村キヌ氏の2Dイラストが秀逸なだけに残念。細かい表情の作り込みが無い為、オーバーアクションで感情を表現するキャラクター達はディズニー映画を観るよう。世界観と合わないのでは
 前作プレイ済みを想定しているのか設定やキャラなど持ち越しが多い。それどころか肝心の物語も次作を想定してのもしや3部作か。複雑な謎は理解不能な点もあり、かなり人を選ぶが、その手の物が好きな人は満足できるだろう
 マルチ化の弊害か、プレイにストレスを感じることも多々有り。フローチャート機能は便利、SKIP機能はあるが変なとこで止まる不具合も。フローチャートがあるのでそこまで困ることはないが、既読スキップだけでは無く全スキップも欲しくなった。
似たような物語を何度も繰り返すせいか一つ一つのルートの重みが薄れて残念。罠の難易度は前作の数学に偏った問題ばかりと違い程良い難易度、EASYモードも加え広いユーザーを対象にしたが物語の内容は酷く人を選ぶ。こんな作品も面白いが、完結はまだか

 

 

 

 

総合評価:C

(解決してないけど続編出せるのかな..)

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