~老舗による名作の安定した移植は、古いファンだけでは無く、新規ファンを取り込めるほどの良い作品となった~
リトルバスターズ!Converted EditionはplaystationⓇVitaで2012年3月22日に発売された恋愛アドベンチャーゲームである。
この作品は今まで幾度となく移植を繰り返されている作品で、原作であるリトルバスターズ(オリジナル)が発売されたのが2007年7月27日、その後エロを追加したりキャラやエピソードを追加したりなんだかんだで4年半、恐らく最後の移植となるのが今作であるだろうと思う。
VITA版を出すに当たって一番の売りとしていたのは画質だろう |
その他、VITAということでタッチスクリーンにも対応していたり、とあるキャラのCGが追加されていたりもするが、まぁそれはおまけみたいなもので特筆すべきことではないだろう
元がPCゲーということで当然備えているべきスキップ機能、オート機能、セーブできる数(確か100以上あったような)、は問題なし。レスポンスも良好。音質も良し。システムに関しても完璧である。
リトルバスターズの魅力の一つである多彩なミニゲームも顕在である 一見ファミコンのベースボールを思わせるようなしょぼさであるが、意外とはまるノック |
バトルランキングによるなんちゃってRPG。これがストーリーに直接影響するなら一気に面倒くささ倍増だが関係無い上にオフにもできる。よくわかってる |
ミニゲームはこれだけでは無く、タッチスクリーンを使ったなんちゃってシューティング要素、タイミング合わせに、パズルと多岐にわたるが、前述通りそのどれもストーリーに影響するわけでは無いので安心である。
これは当然だと思うのだが、わかってないスタッフが作るとミニゲームを必須にするどころか、成績による条件分岐など余計な要素を加えてきたりするから恐ろしい。そう、我々はストーリーを知りたい訳であってミニゲームをしたい訳じゃないのだ。零シリーズやバイオハザード(初期シリーズ)などもこの罠にはまりかけてはいたが
システムについてこれ以上語ることは無いので、個別ルートについて一言レビューに入ります。
棗鈴
本作のメインヒロイン。人見知りで臆病なキャラはメインとしては珍しいがそこは個別ルートで補完される。ギャグに対する突っ込み担当でもある | 個別ルートは謎の人物からの試練を通じて彼女の成長物語が描かれる テーマは依存からの脱却だろうか。告白への過程がちょっと急すぎる気もするが |
神北小毬
三枝 葉留佳
ドジでいたずら好きのこれまたムードメーカー 共通ルートではひたすら明るい、ということは… |
個別ルートはやはり重くなる。もはや狂気の世界。 竜騎士07に書かせたシナリオのよう。テーマは姉妹、だろうか? 重いのが悪いとは言わないが、このシナリオはちょっとくどかった。 とってつけたよう、と言うべきか。共通ルートと世界観が違いすぎるせいか、イマイチ乗り切れない。もっと尺があれば良かったのかも |
能美 クドリャフカ
「わふ~」でお馴染み言わずともわかる本作のロリ枠担当。 口調もなにもかもわかりやすいロリ。共通ルートではマスコット的存在 |
個別ルートは安心のジェットコースター急下降で、やはり重い。 外国人設定を活かし国や戦争が絡む展開に だがそれより気になったのはストレルカ。この目、、犬か?
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来ヶ谷 唯湖
今作のお姉さん枠担当。 ミステリアスで強く頼れる、という”いかにも”なお姉さん設定 |
個別ルート、、はともかく彼女はCGの不安定さが非常に気になった 画像によっては別人に見えてしまうレベル。特典についてきたドラマCDのイラストなどは本当に一瞬誰なのか悩んだほどだ。 シナリオ自体は深そうでいて実は深くないのか? |
西園 美魚
文学少女枠。 共通ルートではけっこう空気な存在。 |
個別ルートはかなりファンタジーな部類 プレイヤーが簡単に想像できる部分(●●●●)に持って行かなかったのは評価できるか 突き詰めて考える人は負け組 |
二木 佳奈多
生徒会長枠。真面目で規律正しく厳しい しかしその裏には思わぬ事情が… |
個別ルートはやはり重い。テーマは家族、か。 本作のメインシナリオとは別に重大な秘密がこのシナリオで明かされる これはまさに必見だ。詳細はネタバレ後下で |
笹瀬川 佐々美
ツンデレ枠。共通ルートでは敵のような存在だが エクスタシーでの昇格ヒロインということで納得 |
個別ルートはやたらと重くなりがちな本作において佐々美ルートはほっと安心できる出来と言えるか。ギャグっぽいテイストで進みながら最後はホロっと
追加ヒロインだけに毛色の違った物を目指したのだろうか |
朱鷺戸 沙耶
本作のメインヒロインその2、と呼んでもいいと個人的には思う 他のキャラとの絡みもほとんどなく完全なる個別ルートが作られている |
個別ルートもよくできている。 こりゃ何でもありだろって言いたくもなるがプレイヤーを満足させてくれればそれで良し。このクオリティが全員分あれば凄かったが、まぁそれは厳しいか |
共通ルートのクオリティもミニゲームを含め飽きさせない出来で、ギャグもなかなか面白い。
その後の個別ルートも丁寧に作られており、全て終わった後は世界の秘密と言われる大団円を知ることになる。
これはギャルゲーにおけるゴールデンルートと言うべきか。
個別キャラクタールートに伏線を仕込み、最後に個別ルートと別に作られたトゥルールートが解放。
そこで「ああ、そうだったのか!」とプレイヤーを満足させる。
この点も含め、リトルバスターズは総じてクオリティが高い。
プレイ済みのファンも新規の人も抵抗が無い人なら満足出来る物に仕上がっているのではないだろうか。
※皆、大好きな某雑誌形式でレビューします。
採点は上から順に、グラフィック、ストーリー、UI(ユーザーインターフェイス)、GAMEPLAY、の評価となります。
総合評価:A
※この後はネタバレを含みます。これからプレイ予定の方は観ないようお願いします。
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さて、上にも書いた”本作のメインシナリオとは別の重大な秘密”とはこれだ
二木 佳奈多シナリオ終盤のワンシーン 妹の葉留佳に化けて主人公と会っていたことがバレてしまう まぁこれは良いとして |
その後問い詰められ、正体を明かす佳奈多 そして衝撃の一言! 「慣れないカラコンまでしたのにバレちゃうなんてね」 |
カラコンッ!???
二木 佳奈多の目の色が黄色いのはキャラの見分け的に必要だったから色変えてるだけで実際は日本人だから黒に決まってるでしょ。空気読んでよねそれくらい、では無いということだったのだ
ということは鈴の目の色が赤なのも本当に赤色で、その他ヒロインも青だったり紫だったり水色だったりするのも全部マジだったってことだ!これはたまげた
実際ギャルゲーエロゲーでは全員日本人の女子高生なのに髪の毛の色が皆虹のように別々なのはザラだったりするが、そこは突っ込んじゃいけない暗黙の了解だと思っていたのに、そこを自ら暴露するとは、なんで、、なんでや、、、
あまりの衝撃にプレイ中「えーっ!」って声がリアルで出た。あれ?そんなにびっくりしたのは僕だけだったのだろうか。実はこんなクソみたいに長いレビューを書いたが一番言いたかったのはこれ(笑)。今は肩の荷が下りた気分ですw
まぁ後は、世界の秘密(実はバス事故後の妄想の世界)だってことを知っているのは真人、恭介、謙吾の三人という設定だったが、鈴を除く他のヒロイン全員グルにしても良かったかもしれない。世界を保つ為に全員の力が必要だった、とかにして。そしてそれぞれのルートで伏線ちょっぴりずつ出してく、とか。
そうじゃないと真エンド後は、個別ルートってなんだったんだろう?状態になっちゃう。難しいけどね
やはりシュタインズゲートはうまいことやったなーって思う。とりあえず、、素晴らしい移植でした(パチパチ
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