<楽天3-4日本ハム>◇23日◇楽天モバイルパーク 日本ハムが延長戦を制して1分けを挟んで今季初の5連勝をマークした。
先発した山崎福也投手(31)が6回2失点と好投。7回からは開幕から8試合連続無失点の金村尚真投手(23)に継投も、回またぎとなった8回に楽天茂木に同点1号ソロを浴びた。 打線は延長12回に先頭の田宮裕涼捕手(23)が二塁打を放って出塁。その後2死二、三塁で上川畑大悟内野手(27)が決勝の左前適時打を放った。
試合後の新庄剛志監督(52)の主な一問一答は以下の通り。 新庄監督 (自ら)勝ちに食らい付いていく、あの一生懸命な姿を見てたら涙出てくるね。こんな勝ちある? 最後の12回に。もうレフト前しかないでしょ。上川畑君も、よう打ったわ、追い込まれてね。ああいう勝負強いところ、ずっと持ってるね。
-9回に右手に死球を受けた伏見の状態は 新庄監督 ちょっと腫れがひどいというか。右、投げる方なんで、ちょっと明日の様子を見て。明日、雨の予報…(ちょっと弱い)それはね、僕たちは何もできないんで、明日様子を見て。
-勝ちきったのは大きい 新庄監督 いつでも大きいよ。表の攻撃だから(勝ちきって)脳の汁がもう…(笑い)。 -金村は回またぎしなくても… 新庄監督 いや全然、金村君です。
-信用できるピッチャー 新庄監督 もちろん、もちろん。ずっと抑えてくれてたしね。(茂木に打たれたのは)ちょっと追い込んでのボールだったんで。でも、ここまで勝ち(ゲーム)をつくってくれたのは金村君の力っていうのは大きいし、明日雨という予報の中で、今日2イニング投げてくれたら明日休みだというところで。
-先発の山崎は6回71球で早めの降板となった 新庄監督 ちょっと捉えられ始めていたから、ちょっと金村君にいってもらおうと。
-これで1点差ゲームは今季全勝(5連勝) 新庄監督 (1点差試合は17勝31敗だった)昨季と逆になったね。これは2年間の成果ですよ。
-延長も強い(2勝1分けと負けなし) 新庄監督 ね、そこは…選手がいいとしか言いようがないですね。面白いね。今年は本当に面白い。(試合の流れを失っても)持ってこられる感じはしますけどね。
-延長12回は先頭の田宮の出塁が大きかった 新庄監督 (左翼フェンス直撃の打球に)あんな伸びるんだと思ったね。最後、一、三塁で(打席が回った)マルティネスが外野に犠牲フライ打ってくれたらと(一塁走者は)走らせなかったんですけど。
-これで1分けを挟んで5連勝 新庄監督 あんまりその辺は、あんまり。 -明日は雨予報だが、この調子なら試合をやりたい 新庄監督 明日(の先発は)向こう誰でしたっけ? 岸君…ちょっといいピッチャーですからね。明日の朝起きて、雨かどうかを見て、オーダー決めます。
ここ2年間お得意の”変なこと”をして流れを失い負ける。から
今年は”変なこと”をしても選手がカバーして勝つことができている。に変化。
そしてその”変なこと”も少なくなってきている気がする。
だから新庄監督も成長しているのかも、しれない。
山崎福也の球数考えても、金村を回またぎさせる必要性ってどうだろう?と思うけど、監督の”捉えられ始めていたから”との動物的な勘が当たったのかもしれない。
うまくいった。
なにせ結果が全て、だから監督は今のところ良くやっているし、評価をしなきゃならない。
ただ、この監督の采配、考え方は嫌いだ。
先日の試合もそうだったが、リスクとリターンを考えずに采配を振るう。
少し遡る
10回の裏 2対2
制球の定まらない杉山から四球で石井が出塁(代走 五十幡)
打者、細川
新庄監督の指示はバント。しかし決まらずツーストライクを取られる。
そして
スリーバント失敗
次打者、伏見。バント成功
水野、三振でスリーアウト。
この試合がどうだったかと言うと、11回の表で二点を奪われ敗色濃厚だったが、裏ツーアウトからマルティネスの奇跡の同点ホームランが出てそのまま引き分けで終わった。
劇的な引き分け。
しかし前述の采配、どうだろうか?
打者、細川。バントの采配は人によって好き嫌いはあるだろうが良い。細川に打撃はそこまで期待できないし、次打者伏見、水野なら、それなりに期待できるから良いと思う。もちろん裏攻撃だし。
ただスリーバントはどうだ?
制球が定まらなくて四球で出塁させた速球荒れ球が持ち味の杉山。
ギャンブルする場面だろうか?
よく優しいとか選手思いだとか、才能を引き出している、とか
過去二年の成績は見ないフリをして、新庄監督を褒め称えるメディアやコメントを目にするが
自分はそうは思わない。
新庄監督は時に全く必要の無い場面で選手に物凄いプレッシャーをかける。
上記の場面がそうだ。
10回の裏サヨナラチャンス。絶対失敗できない場面。相手は荒れ球の杉山。打者はスタメン確約されていない細川。異常にプレッシャーのかかる場面でさほど必要性の無いスリーバントを指示。
まるで素人芸人をいきなり大観衆の前に出して”場を盛り上げろ”と指示したかのよう。
もちろん、プロなのだからどんな場面でもバントを成功させなければ駄目、という意見はわかる。(細川も初年度のルーキーでは無いから、わかりやすく書いたが素人芸人の例えは大げさかもしれない)
そういった場面もあるだろう。(例えばセ・リーグで打者が全く打撃に期待ができない投手などの時)
リスクとリターンで考える。
リターン:確実性の低いスリーバントを成功すると1アウトで得点圏にランナーが出てサヨナラの機運が一気に盛り上がる。細川の評価が上がる。本人も自信が付く。
リスク:失敗するとただでアウトを1つあげた形になり、サヨナラの流れを一気に失う。細川の評価が下がる。本人も自信を失う。
異常にプレッシャーがかかる場面でスリーバントの指示。打者は細川。
失敗する可能性が非常に高い。
普通の監督なら、ミスする可能性が高い、そして流れを失うのを恐れてこの場面でスリーバントといった”変なこと”はやらない。ツーストライクの時点でバッティングに切り替えるだろう。
しかし新庄監督は”変なこと”をやる。
そこに根拠は無く、イケるとイメージが湧いた。勘がひらめいた、のだと思う。
この2年間、新庄采配を見てきて思う。恐らくリスクを考えていない。
考えていても、軽く、じゃないか。
競馬に20万円賭けて、負けたー!!また明日から頑張ろー!といった感じ。
成功のイメージだけ頭に描いて、失敗のリスクをあまり考えない。
スーパースターたる所以か。だから突飛なこともできるし、それを成功させる能力を持っていた。
失敗した細川は、新庄監督の信頼をかなり失っただろう。
それなりに打っていたし、活躍していたとは思うが。気のせいかもしれないが、あれから姿をとんと見ていない。
この試合は、結局奇跡的に土壇場で追いついて引き分けに持ち込めた。
助かったー、ラッキーラッキー
昨日の試合も、山崎福也を6回71球でちょっと捉えられてきているかなー?とかなり早めに降板
7回から金村を投げさせ、必要性の無い回またぎをさせ、8回に同点ホームランを打たれる。
流れを失った中、投手陣が必死に抑え、12回の表で勝ち越し。試合終了。
ああー、良かったラッキーラッキー。
これで最後まで好成績で駆け抜けたら、それは新庄監督の才能であり、実力だろう。凄い。
ただ、長いシーズン。
そんなうまくいくかな?
そして、細川選手の姿、また見たい。
あれで嫌っちゃわないで、出してあげて、と願う。